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グレーゾーン金利を日本一わかりやすく解説

ここではグレーゾーン金利とは何のことなのか、それが生まれた背景や現状について解説しています。

利息について定めた2つの法律の存在

グレーゾーン金利、法改正前の「利息制限法」が定める上限金利と「出資法」が定める上限金利の間の金利のことを言います。

最初に断っておきますが、現在はこのグレーゾーン金利は撤廃されているので存在しません。2010年6月18日の改正貸金業法および改正出資法の施行によって貸金業者の上限金利は以下のように定められ、両者は一致しているためです。

借入の金額 利息
10万円未満 年20%まで
10万円以上100万円未満 年18%まで
100万円以上 年15%まで

もともと、利息制限法では上記と同じ制限利率が定められていました。本来であれば貸金業者は利息制限法に従うべきはずなのですが、以前はこの利息制限法の上限を超えた金利を設定している業者がほとんどでした。

その理由が利息について定めている出資法の存在です。改正前の出資法では上限金利が29.2%となっていて(2010年6月17日まで)、これに違反すると5年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金という罰則がありました。

そして利息制限法には違反したときの刑罰はありませんでした。また、利息制限法上の上限金利を超えていても、例外規定により一定の要件を満たせば有効とする「みなし弁済」があったため、多くの貸金業者が「利息制限法による上限」を超えて「出資法による上限利率未満」の「グレーゾーン金利」でお金を貸出していたのです。

しかし、このような状況が社会問題となり最高裁は2006年に事実上グレーゾーン金利を認めない判決を下しました。これを受け2010年に貸金業法が改正され、出資法の上限金利が利息制限法と同じ水準まで下げられたのです。

キャッシング利用者もグレーゾーン金利の影響がある

グレーゾーン金利の問題は法律が改正されてすべて解決されたわけではありません。長年にわたって貸金業者からの借金を返済している人は過去に利息を払い過ぎているからです。

この払い過ぎたグレーゾーン金利における利息に関しては、利息制限法への引き直し計算をして元金に充当させ、借金の減額をする手続きが可能です。

また、完済している場合も取引終了から10年以内であれば、過去の払い過ぎた利息分(過払い金)の返還請求をすることができます。これを「過払い金請求」と言います。

過払い金請求ができる方は、全国に500万人以上いるとされています。カードで簡単に借金ができるキャッシング利用者が、それだけ大勢いるということです。

国内のキャッシング利用者は1400万人以上(労働者の5人に1人)いると言われています。キャッシングをすれば貸金業者に利息を支払わなければならないですが、2010年6月以前、そのほとんどはグレーゾーン金利が設定されていました。

改正法施行前まで業者に言われるがまま高額なキャッシングの利息を支払い続けていた人は、それが払い過ぎであることを知らないケースも多いのです。

現在、過払い金返還請求が急増していることと総量規制の影響もあって、各貸金業者の経営状況が悪化し2006年に14,236社あった貸金業者も2014年には2,103社まで減ってきています。※

貸金業者が倒産してしまえば過払い金請求をすることは困難になりますので、心当たりがある方は早めに動くことが重要です。

※金融庁:貸金業関係資料集の掲載についてhttps://www.fsa.go.jp/status/kasikin/20180928/index.html より

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