HOME » 債務整理のプロに聞いた法律コラム » 債務整理にかかる費用相場

債務整理にかかる費用相場

ここでは弁護士事務所に債務整理を依頼した場合にかかる費用の相場を方法ごとにまとめています。

債務整理の手段ごとの費用相場一覧

債務整理を弁護士事務所に依頼する場合は弁護士費用がかかります。主な内訳は着手金・基本報酬、成功報酬、その他事務手数料などです。

債務整理にはいくつかの種類があって、過払い金請求と任意整理は基本的に裁判所を通さずに相手との直接交渉により解決します。そのため基本報酬以外に返還された金額や減額された金額に応じた報酬が発生します。

民事再生(個人再生)と自己破産は裁判所に申立てをすることで解決が進められます。したがって弁護士の基本報酬以外に必ず申立て費用などの実費がかかります。

以上のことを踏まえて債務整理の手段ごとの弁護士費用相場について見ていきましょう。

過払い金請求

過払い金請求は引き直し計算をして平成22年以前に発生していた払い過ぎの利息を返還してもらう手続きです。

弁護士費用についてはどのくらいの金額が返還されるかによって大きく変わってきます。

  着手金・基本報酬 過払い報酬 その他
K事務所  なし  返還金額の18%  
Y事務所  なし  返還金額の16~18%  口座事務手数料3万円
D事務所  1社当たり4.32万円  返還金額の21.6%  借金を完済した場合は着手金無料
H事務所  なし  返還金額の20%  裁判費用1社当たり1万円
B事務所  1社当たり4万円  返還金額の20%  事務手数料別途

これは大手弁護士事務所の過払い金請求にかかる費用を表にしたものですが、着手金・基本報酬については無しというところが多いのがわかります。

着手金を設定していても過払い金請求により借金がゼロになれば着手金は無しというところもあります。

返還された過払い金に対して発生する過払い報酬の相場は20%前後ですが、着手金に関してはほとんど考えなくてよいため、負担はそれほど大きくないと考えてよいでしょう。

但し、貸金業者と和解ではなく訴訟を提起して解決した場合は過払い報酬金が5%程度上乗せされたり、1社当たりの裁判費用がかかることがあります。

任意整理

任意整理は裁判所を通さずに弁護士が貸金業者と示談交渉をして借金を減額する手続きです。

1社ごとに交渉を行わなければならないので着手金・基本報酬も1社ごとに発生するのが基本です。さらに減額分の何%かが減額報酬としてかかることがほとんどです。

  着手金・基本報酬 減額報酬 その他
K事務所  1社当たり2万円  減額分の10%  
Y事務所  債権者1社ごとに2~5万円  なし  債権者ごとに事務手数料1万円
過払い金は返還金額の16~18%
D事務所  1社当たり4.32万円  減額分の10.8%  過払い金は返還金額の21.6%
H事務所  1社当たり4万円  減額分の5%  過払い金は返還金額の20%
B事務所  1社当たり4万円  減額分の10%  事務手数料別途

大手弁護士事務所の任意整理にかかる費用を見てみると、着手金・基本報酬の相場は2~4万円程度で、減額報酬は10%前後に設定されていることがわかります。

減額報酬が無い弁護士事務所もありますが、その場合は着手金・基本報酬が高めに設定されていたり、別途事務手数料がかかるので総額はそれほど他と変わらないと考えられます。

任意整理の料金体系から言えることは、借入先が多ければ多いほど費用がかかるということです。

例えば着手金が1社4万円だった場合、借入先が2社であれば8万円で済みますが、10社あると40万円かかることになり、この差は大きいと言えます。

民事再生(個人再生)

民事再生とは裁判所に申立てをして住宅ローン以外の借金を大幅に減額することの許可をもらい、残債を3年の分割払いで返済する手続きです。

任意整理のように債権者1社あたりという考え方はなく固定の基本報酬がかかります。弁護士の交渉によって減額幅に違いが出ることがないので、減額報酬というのはありません。

  着手金・基本報酬 その他
K事務所  25万円  別途実費
Y事務所  28万円  予納金、申立印紙代などの実費(3万円程度)
 住宅ローン特別条項を利用する場合10万円加算
D事務所  51.84万円(住宅ローン特例あり)
 41.04万円(住宅ローン特例なし)
 再生委員報酬、申立費用(3万円)は別途
H事務所  38万円(住宅ローン特例あり)
 28万円(住宅ローン特例なし)
 申立時費用+事務手数料3万円
 再生委員の報酬
B事務所  44万円(住宅ローン特例あり)
 34万円(住宅ローン特例なし)
 裁判所申立費用3万円

大手弁護士事務所の民事再生(個人再生)にかかる報酬の相場としては30~40万円程度ですが、住宅ローン特例が有りの場合は債権者と協議をする必要があるためプラス10万円程度上乗せになります。

また民事再生では裁判所への申立てや手続きを重ねていくことになりますので、申立手数料や事務手数料が発生します。さらに再生委員が選任された場合はその報酬も別途必要になります。

自己破産

自己破産は裁判所に申し立てをして支払不能であることを認めてもらい、借金の免責決定を得る手続きです。

したがって裁判所への申立てのための手続きに対する固定の基本報酬と申立て費用が必ず発生します。

  着手金・基本報酬 その他
K事務所  20万円  別途実費
Y事務所  25万円  予納金、申立印紙代などの実費(2万円程度)
 管財事件の場合は、別途追加費用
D事務所  29.16万円(同時廃止)
 41.04万円(管財事件)
 申立費用3万円
 管財人引継手数料20.1万円
H事務所  28万円  申立時費用+事務手数料2.5万円
 管財人費用20万円
B事務所  24万円(同時廃止)
 34万円(少額管財)
 裁判所申立費用(同時廃止)3万円
 裁判所申立費用(少額管財)23万円

大手弁護士事務所の自己破産にかかる費用を見てみると、基本報酬の相場は20~30万円程度となっています。

注意したいのは自己破産には同時廃止事件と管財人事件の2つのケースがあることです。自己破産をする人の9割は同時廃止事件ですが、20万円以上の財産があったり免責不許可事由がある場合には管財人事件として扱われます。

管財人事件になると管財人費用として20万円程度プラスされることになりますので、事前に自分がどのような状況であるかを確認しておいたほうがよいでしょう。

費用をかけても弁護士に依頼した方がよい理由

債務整理を弁護士に頼むとお金がかかるので何とか自分でできないの?と思う方がいるかもしれません。

民事再生や自己破産は裁判所の申立てが必要なので難しいとしても、過払い金請求ならできるのではないかと考える人はいるでしょう。それは可能ですし、自分で行っている人がいないわけではありません。

しかし実際には債務者に相当な法律的な知識と交渉力がなければ厳しいと言わざるを得ません。訴訟を提起しなければ先に進まない場合もありますし、書類作成などの手間を考えると自分で行うのは得策とは言えないでしょう。

また弁護士に依頼するメリットとして、督促や支払いがストップするということが挙げられます。弁護士が貸金業者に債務整理を受任したことを通知すると正当な理由なしでは弁済を求められなくなるのです。

借金に悩みを持つ人の多くは貸金業者からの取り立てが精神的苦痛になっていることがほとんどですから、それが無くなるというだけでも意味があると言えるのではないでしょうか。

ページの先頭へ