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小規模個人再生とは

ここでは小規模個人再生と給与所得者再生の違いについて解説。また個人再生を実施した時の借金総額の変更額もまとめています。

小規模個人再生と給与所得者再生

個人再生(民事再生)の手続きには小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。

どちらも基本的な考え方は同じですが要件や対象者に違いがあるので個人再生を検討する場合は内容をしっかり押さえておくことが重要です。

小規模個人再生

住宅ローンを除く再生債権総額が5,000万円を超えていないことを要件として、原則的に債務額の5分の1の最低弁済額か清算価値(保有財産の合計額)のいずれか高い方を返済する手続きのことです。もともとは自営業者向けの手続きとして用意されたものですが、サラリーマンやパート・アルバイトも対象者に含まれています。

給与所得者等再生

住宅ローンを除く再生債権総額が5,000万円を超えていないことを要件として、債務額の5分の1の最低弁済額、清算価値、可処分所得2年分のうちいずれか多い方の金額を返済する手続きのことです。自営業者は対象外で会社員など将来的に確実に安定した収入が見込める債務者が対象となります。

給与所得者等再生の方は返済金額は可処分所得によって決まるため、小規模個人再生と比較すると再生計画に基づく返済金額が高額になる傾向にあります。

給与所得者は小規模個人再生も選択可能なので、給与所得者等再生は何のメリットも無いように見えますが、実はもう一つ両者には違いがあります。

小規模個人再生は債権者総数の半分以上、かつ債権額が総額の2分の1以上の債権者からの反対がないことが必要です。債権者の異議があると再生計画が認可されない可能性があります。

これに対し給与所得者等再生の場合はこのような要件はなく全債権者が反対していても、裁判所から認可が下ります。これは給与所得者等再生のメリットと言えるでしょう。

ただ、実際には債権者が反対する割合はそれほど高くないため、統計では個人再生事件のうちおよそ9割は小規模個人再生を利用しているという結果が出ています。

個人再生をするとどのくらい借金が減額される?

個人再生手続では債務額を基準として最低弁済額が定められています。民事再生法231条2項3・4号で規定されているのですが、場合分けを表にすると以下のようになります。

借金の総額(減額前) 最低弁済額(減額後)
 100万円未満  借金全額
100万円以上500万円未満  100万円
 500万円以上1500万円未満  借金額の20%
 1500万円以上3000万円未満  300万円
 3000万円以上5000万円以下  借金額の10%

これを見てもわかるように、借金が100万円以下の場合は個人再生をしても借金が減額されることはありません。

この表に従えば、仮にAさんの借金額が600万円だったとすると返済額は120万円まで減額されるということになります。

但し、清算価値保障原則といって所有する財産の合計額が最低弁済額を超える場合には、返済額はその合計額になります。

Aさんがもし200万円の価値がある車を所有している時は、返済額は120万円ではなく200万円になるということです。

さらに個人再生でも給与所得者等再生の場合は、可処分所得(実収入から税金と社会保険料を差し引いた所得)2年分を計算し最低弁済額よりも多ければそれが返済額となります。

従って借金額600万円で最低弁済額120万円であっても給与所得者等再生で可処分所得が15万円ある場合は15万円×24=360万円が返済額になるということになります。

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