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自己破産するとどうなる?

ここでは会社員の事例をもとに自己破産するとその後の生活がどうなるかについて解説しています。

会社員Bさんの自己破産ケース

自己破産というとすべてを失ってしまうイメージがあるのでその後の生活は大丈夫だろうかと不安になる方も多いのではないでしょうか。

もちろん手放さなければならないものもありますが、何もかも無くなるわけではなく残るものもあります。

そこである会社員の自己破産の事例で生活がどのように変化するのかを検証してみましょう。

自己破産に至る経緯

Bさんは某メーカーの営業職で、まだ景気がよい時にマンションを購入。住宅ローンを組んで月々10万円を返済していました。

ところが会社の経営が思わしくなく給料は20万まで減額となりボーナスもカット。生活費が足りない分は消費者金融から借入れをするようになり、徐々に借金が膨らんでいきました。

ほどなく会社は倒産してしまい収入は妻のパート代10万円のみ。すぐには転職もできず住宅ローンも合わせると借金が2,000万円以上になっていたため弁護士と相談して自己破産することを決意しました。

(自己破産前)

借金総額:2,200万円(住宅ローン2,000万円)
毎月の返済額:20万円(住宅ローンを含む)
所有資産:マンション、車、その他現金等

自己破産手続き

Bさんの場合はマンションを1,600万円で売却し、消費者金融からの借入れ200万も含む残債800万円については自己破産手続きにより免責になりました。

車に関しては購入から10年以上経過しており、査定額は0円だったため処分することなく残りました。マンション売却で得た1,600万円、生命保険の解約の返戻金30万円、その他の現金は、破産管財人に引き渡して債権者への配当にまわすことになりました。

但し、現金に関しては破産法により99万円までは自由財産になるため、当面の生活費は確保することができました。

(自己破産後)

借金総額:0円
毎月の返済額:0円
所有資産:車(資産価値はゼロ)、現金99万円

その後の生活の変化

Bさんの住まいに関しては賃貸の公営住宅を借りることになりました。クレジットカードは使えないので、公共料金など継続的にカード支払いとなっていたものは基本的に現金払いに切り替えました。

噂に聞いていた自己破産が戸籍に掲載されるとか選挙権が停止することは一切ありませんでした。銀行のキャッシュカードはそのまま使えますし、審査のないデビットカードを作ったので新しい決済手段を得ました。

Bさんはその後新しい会社に勤務することが決まり、借金がゼロになったことで督促に悩まされることがない新しい生活のスタートを切ることができました。

債務整理で自己破産しても社会復帰できる!「復権」について

復権とは、破産手続開始によって破産者に課せられた権利の制限を消滅させ、破産者の本来の法的地位を回復させる制度です。

文字通り、権利が回復するという意味合いを持ちます。

自己破産する場合は、いくつかの社会的制限を覚悟しなければなりませんが、復権によって、ほとんど以前と変わらない生活を取り戻し社会復帰することが可能なのです。

復権を得ていない間は、警備員や生命保険の募集人としての就業、また宅地建物取引主任者、弁護士・司法書士・公認会計士・税理士などの士業の資格取得や、すでに所持しているこれらの資格を利用しての就業も制限されます。

復権するのは、免責許可が下りた時です。つまり、裁判所で自己破産が認められた瞬間に復権することになります。

自己破産から復権までの流れ

自己破産の手続き期間中は「破産者」であり復権を得ていない状態となります。破産者の状態でいるのは、自己破産の手続きを始めてから免責決定が下りるまでの3カ月~6カ月程度が一般的です。

その後、裁判所で免責許可決定が下りた時に、晴れて破産者の立場から「復権」することとなります。復権するための手続きというものは不要で、免責決定とともに自動的に復権します。

「復権するまでには5年から10年がかかる」というウワサもありますが、これは破産したことが信用情報機関に記載され続けるおおよその年数であり、復権までの期間ではありません。

自己破産から社会復帰のウソとホント

復権した後は破産者から一般人の立場に戻ることができ、生活再建および社会復帰を果たせます。

しかし「自己破産すると住民票にそのことが載ってしまう」「パスポートの申請や更新ができないので海外旅行に行けなくなる」「引っ越しができなくなる」「生命保険に入れなくなる」など、自己破産後の生活については様々なウワサがあります。これらはあくまでウワサであり、事実とは異なります。

では自己破産後に、生活上の変化はあるのでしょうか? 普通に生活する上では、ほとんど変わらないと言っても過言ではありません。

しかし、次の2つのような変化は生じます。

一定期間、信用情報機関に破産の事実が記載される

消費者金融からのキャッシングやクレジットカード作成、各種分割払いなどの審査では、支払い能力や他からの借金額を確認するために個人の信用情報が閲覧されます。 信用情報には、支払い滞納や債務整理などの「事故情報」と呼ばれる項目が記載されています。

自己破産すると自分の信用情報には「法定免責」という記載がされ、その情報は数年の期間消えません。「法定免責」が記載されている間は、審査の際に自己破産歴が知られてしまうため、ローンやカードなど新たな借り入れはほとんど不可能になります。

では、事故情報はいつまで保有されてしまうのでしょうか。

その年数は、信用情報機関により異なります。 日本では以下の3つの信用情報機関が機能しており、それぞれの事故情報保有年数は以下の通りです。

シー・アイ・シー(CIC) 原則として5年間
日本信用情報機構(JICC) 原則として5年間
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 原則として10年間

闇金業者からのDMが届くようになる

前述の通り、自己破産から少なくとも5年間はクレジットカード作成やキャッシングの利用が不可になります。いわば正規業者からは借入できなくなるわけです。しかし、どうしてもお金に困ってしまうことも時にはあるでしょう。

闇金業者は、そんな自己破産者の状況につけ込もうとします。「官報」という国の機関紙に掲載される自己破産者の住所氏名を調べ、破産者にも貸し付けが可能である旨のDMなどを送り付けます。

特に、破産後間もない間はたくさんのDMが届くことでしょう。

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